予防医療preventive medicine
はじめに
避妊去勢をすることは男の子、女の子共に様々な病気のリスクを予防できます。
その避妊去勢における当院の流れについてご説明いたします。
①避妊去勢の時期
当院では、生後6ヶ月からの避妊去勢手術を推奨しております。体格や成長の度合いに伴い、適応時期が若干変わることもありますので、手術前にしっかり検査を行わせていただきます。
②避妊去勢までの流れ
術前検査をしっかり行い、問題なければ、避妊去勢手術を始めます。
手術は完全予約制になりますので、事前にご連絡下さい。
また、避妊去勢手術の際には必ず事前にワクチン接種をお願いしております。
③手術当日の流れ
手術当日は午前中にお越しいただきます。
前日のご飯を夜10時ごろまでには必ず済ませてもらい、当日は絶食でお越しいただきます。これは、全身麻酔をかけた時に意識を失い、全身の力も抜けてしまうので、もし胃の中に未消化物が残っていると手術中に吐いて、誤嚥してしまう可能性があるからです。
また、お水は当日朝9時以降まででお願いしております。
④術前検査について
麻酔及び手術が可能かどうか確認を行います。
内容としては、身体検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査になります。
高齢の動物に関しては、追加検査を実施することもあります。
検査の結果次第では、当日の手術が中止、延期になる場合もありますので、ご了承ください。
⑤手術の流れ
手術は通常、12:00~16:00の間に行います。
その日の診察・手術予約状況や緊急手術の有無にてお時間は多少前後する場合がございますのでご了承ください。
⑤-1 麻酔管理について
当院では、術中術後の疼痛を抑え、術中の麻酔を安定させ、動物への負担をなるべく無くすように麻酔管理を行います。
⑤-2 手術内容について
術前準備
まず、手術部位及びその周辺の毛を刈り、殺菌消毒します。
続いて、手術者も、手を丁寧に殺菌・消毒し、滅菌グローブを装着します。
清潔な術野を確保するため、滅菌されたドレープで手術部位以外の範囲を覆います。
手術中の低体温防止の為の保温を開始します。
手術
術前準備が終われば、手術開始となります。
・去勢手術(オス)
犬は陰嚢の前の皮膚を切開、猫では陰嚢自体を皮膚切開をして精巣を摘出します。
猫ちゃんの去勢手術の場合、傷口の癒合が早いのと、陰嚢を縫うと余計気にするため、縫合は行っておりません。
麻酔・手術時間は30分〜40分ほどになります。
・避妊手術(メス)
おへそから下の皮膚を切開後、開腹して卵巣と子宮を摘出します。
まず、体の外側からお腹の皮膚→皮下組織→腹膜と腹筋を切開し、卵巣と子宮を摘出したら、体の内側から筋肉(腹膜と腹筋)→皮下組織→お腹の皮膚の順に閉腹していきます。当院ではなるべく傷口を小さくし、負担をかけないようにさせていただいています。
麻酔・手術時間はで約1時間になります。
手術終了次第、ご希望であれば、手術終了のご連絡をさせて頂きます。
術中や麻酔覚醒に特に問題が無ければ、手術当日、午後6~7時頃にお迎えにお越しいただき、手術内容や結果、手術後の管理方法などについてお話します。
基本的には術後の動物のストレスを最低限に軽減するため、ご自宅での管理をお願いしています。相談により入院管理をすることも可能です。
稀に動物の状態により1泊入院で経過観察させて頂く事もありますのでご了承下さい。
⑥術後について
術部を保護するためエリザベスカラー、エリザベスウェアを着用し、抗生剤、痛み止め等のお薬を服用させていただきます。
多くの場合、手術後1週間後に傷のチェック、10~14日後に抜歯をさせていただきます。
手術後、自宅に帰ってからの数日間は、傷口が開いてしまうリスクがあるので激しい運動は控えていただいています。糸が取れてしまった、舐め過て術創がただれてしまった、傷口が開いてしまった場合などは、早急にご連絡ください。
⑦避妊去勢後の注意点
去勢・避妊手術後は食欲は増える傾向にありますので、手術前と同じ食事を与えていると肥満になってしまうことがあります。
手術後、経過が落ち着いたら、低カロリーな食事や体重管理を目的にした食事を選び、給餌量をしっかりとコントロールしてあげましょう。
手術となると心配な点が出てくると思います。気になる点などあればお気軽にご相談ください。