「ハリネズミの背中に白い粉のようなものが付いている」、「針が抜けて皮膚が赤くなっている」、そんな症状に気づいたことはありませんか?こうした変化は、皮膚ダニ症などの疾患が原因の可能性があり、放置すると貧血やショックに至ることもあります。この記事では、ご家庭でのチェック方法と、専門医による検査・治療の流れをご紹介します。
【まずはご家庭でチェック!症状リスト】 次のような症状が見られたら注意が必要です。
- 背中やお腹にフケのような白い粉が付いている
- フケの色が白から茶色、黒っぽく変化してきた
- 針が抜けてきて、皮膚が赤くなっている
- かゆがっている様子がある
- 皮膚にかさぶたができている
【考えられる主な原因】
① 皮膚ダニ症
- 激しいかゆみとともに、フケや脱毛が進行します。重度の場合、貧血やショックに陥ることも。
② 皮膚真菌症(カンジダ症など)
- フケが白っぽく、皮膚にかさぶたができたりかゆみを伴うことがあります。
③ 栄養不足
- 針が弱くなり、抜けやすくなることがあります。皮膚が乾燥しやすくなります。
④ アレルギー性皮膚炎
- 床材や餌へのアレルギー反応で皮膚が赤くなることがあります。
【実施する検査内容】
① 問診・視診
- 飼育環境(温度、湿度)や使用している床材、与えているフードの内容などを確認します。
② 皮膚スクラッチ検査
- 顕微鏡で皮膚を観察し、ダニや真菌の有無をその場で確認します(当日中に結果が分かります)。
③ 血液検査(必要に応じて)
- 貧血の有無、白血球数や炎症マーカーから全身状態を把握します。
④ 皮膚生検(必要に応じて)
- 腫瘍性病変やアレルギー性疾患との鑑別に役立ちます。
【治療の流れ】
- 皮膚ダニ症:駆虫薬の投与(内服または外用)+ビタミンサプリの併用
- 真菌症:抗真菌薬の投与(内服+外用)+スキンケア指導
- 栄養不足:食事内容の見直し
- 通院の目安:初診後1週間で再診、2週間後に最終チェック
【ご自宅でできるケアとよくある質問】
■ ケアのポイント
- ケージは週1回以上の頻度で消毒し、床材もこまめに交換しましょう
- 室温と湿度を適切に保ち、ストレスのない環境を意識しましょう
■ よくある質問
Q:「フケが多すぎて自宅ではどうしたらいい?」
A:無理に取り除こうとせず、できるだけ早めに受診を。
Q:「市販の駆虫薬を使ったけど治らない…」
A:ハリネズミに適さない薬剤を使っている可能性があります。必ず動物種に合った治療を受けましょう。
【大切なハリネズミの皮膚トラブルに早めの対処を】
フケや抜け針が気になったら、まずは皮膚の状態をチェックして、早期の受診をおすすめいたします。早期の診断と適切な治療で、症状の悪化を防ぐことができます。ご不安なことがあれば、いつでも当院までお気軽にご相談ください。